白い壁に赤い屋根、青い海に白い灯台。伊豆半島の東海岸に面し、1936年から開業している川奈ホテル。ゴルファーなら一度は訪れてみたい風光明媚な名所である。 川奈の魅力はこの自然の美しさだけではない何かを、訪れる人に感じさせてくれる。
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川奈ホテルゴルフコース全景 |
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川奈ホテル 正面玄関 |
この川奈ホテル富士コースで2005年から女子プロゴルフのフジサンケイレディスクラシックが開催されている。 会場が川奈に移って今年で3回目を迎えたが皆スコアメイクに苦労していた。 海風もさることながら、自然の地形を生かした設計でフェアウェイの微妙なアンジュレーションと砲台グリーンに各選手悩まされた。
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富士コース11番ティーショット |
大島コースにて(筆者中央) |
私は川奈が大好きである。 しかしゴルフだけなら2度3度とは訪れていなかっただろう。 自然の美しさと共に川奈ホテルが持っている雰囲気、サービス、付帯設備としてのゴルフコースなどトータルで惹かれるのである。
何故川奈は昔から特別な存在なのか? 以前川奈ホテルで手に入れた、川奈の生い立ちから何となくその理由が見えてくる。 創設者の大倉喜七郎(明治時代の大実業家大倉喜八郎の子息、ホテルオークラ創設者)は英国留学時代(1900~1910)に訪問した友人の牧場、田園生活(カントリーエステイト)に感動し、自分も日本に帰ったらこう言う牧場を造ろうと強く思ったそうである。
帰国後たまたま転地療養していた伊東近辺を馬に乗って散策するうち、この地こそ「カントリーエステイト」のイメージにぴったりと思うようになり夢の実現に向った。 牧場に良いだろうと選んだ川奈の地だったが、整備段階で下が溶岩で牧場に不向きと判明、しかし「できるだけ牧場にと言う要望に沿う」と言われ待つこと1年、造成完了を見れば緑一面の牧場ではなく緑のゴルフコースが誕生していた。 この様ないきさつで1928年6月大島コースが開業、1936年には富士山が見える富士コースと言う運びになった。
美しい自然の中でのんびり過ごしたいと言う大倉喜七郎の思いから始まった川奈の開発、損得抜きの大倉の道楽が今日の川奈の優雅さにつながっているのかもしれない。最高の環境と最高のサービスは経営(現在プリンスホテル系列)が変わっても続いてくれることを願っている。
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